アメリカの小学校って、日本の小学校とどう違うのでしょうか?
わが家の子どもたちは、アメリカ駐在中に現地の公立小学校に通っていました。
実際に通わせてみると、授業の進め方や英語が母国語ではない子どもへのサポート、スクールランチ、スクールバス、保護者の学校への関わり方など、日本とは異なる点がたくさんありました。
この記事では、アメリカの現地小学校での生活について、わが家の実体験をもとに詳しくご紹介します。ギフテッド教育やELクラスの仕組みなど、これからアメリカに赴任するご家庭が気になる情報もまとめました。
これからお子さんをアメリカの現地校に通わせる予定の方や、アメリカの学校生活に興味がある方の参考になればうれしいです。
グレード

まず、何年生から何年生が小学校なのかですが、我が家の地域ではキンダーと呼ばれるグレードから5年生までが小学校でした。キンダーは日本でいう年長みたいな感じですね。
標準的には6歳(その年の8月生まれくらい〜)がキンダーです。日本ではきっちり4月2日生まれから◯年生と決まっていますが、その辺の決まりはあいまいでケースバイケースなよう。
保護者の判断でダウングレードしたり、7月生まれだけどほとんど8月生まれと変わらないから上の学年に入れたい、などもできたりするみたいです。
その地域では8月が新年度のスタートだったので、このような区切りになっていたのかなと思います。カリフォルニアなどは9月スタートだと聞いているので、また学年の区切りが変わってくるのかな?と思ったり。
日本から英語が話せない子どもが転入する場合、だいたいのご家庭ではどの学年に入れるか迷われるようです。
英語がどのくらいその学習に影響してくるかがポイントだと思いますが、学年にもよると思います。
キンダーでアルファベットの書き方を習い始め、1年生で足し算や引き算をやっていました。掛け算はようやく3年生くらいからやっていたと思います。
4年生くらいからパワーポイントを使ったプレゼンなどが始まり、算数では割り算が始まりました。副教科に関しては、4年生からソーシャルスタディ(社会)やサイエンス(理科)が始まりました。
日本のカリキュラムの方が1年早い感じがしますので、通常は日本の学年と同じ学年に入ると学習内容は少し易しめのところから出来るので問題なさそうな気がします。
ただ、高学年の場合は英語のハードルが高くなってきてしまうので、ダウングレードされる方も多いです。そのくらいの年齢だときちんと内容を理解して学ぶことよりも、周囲との関係作りや学校自体を楽しめるような環境作りの方が大切だと思われるからです。
学校での1日のスケジュール
地域や学校によって違う点もあるとは思いますが、だいたいの流れは似ていると思いますので我が子の通っていたクラスをご紹介します。

これは低学年のときの1日のスケジュールです。クラスごとに多少変わってきますが、だいたい分単位でスケジュールが決められています。
昼食の時間や外遊びの時間もそれぞれのクラスが◯時◯分〜◯時◯分まで、というように決められていて、先生の声掛けによって各クラス移動します。
いい感じにローテーションできるように、外遊びの時間は学年ごとに違っていたり、カフェテリアも順繰り順繰り利用できるように時間配分されていました。
体育は毎日ありましたが、日本みたいにみんなで同じことをするのは稀で、選択肢があってそれぞれ好きなものを選んでやるというイメージだったと思います。
必ず午前中どこかでおやつの時間があります。先生によってはおやつを2回食べるなんてことも・・・!(驚)どの学年も同じ時間に登校して同じ時間に下校することになっています。
4年生・5年生の高学年はざっくり英語と算数だけではなく、1日の4分の1くらい社会や理科が入ってきていました。
また、アメリカでは個人個人に合わせて必要な学習をとるように設定されているので、英語が分からないバックグラウンドの生徒にはEL(English Learning)のクラス、発音の補助が必要な生徒にはスピーチクラス、高い知的能力を有する生徒にはGE(Gifted Education)など、その他にもまだ特別な補助的クラスがあるようでした。
そういったクラスは担任の先生が行う国語(英語)の授業中などに少し抜けて行くことが多いようです。
クラスパーティー

また、クラスパーティーなども多いです。
クリスマスパーティーと学年末のパーティーは絶対ありましたし、バレンタインデーの友達とのプレゼント交換やその他担任の先生の采配でイベントが行われることもあります。
よくあるクラスパーティーの内容は、クラフトや簡単なおやつ作り(アイスクリーム作りやクッキーのアイシングなど)、季節に合わせたフルーツやおやつが配られてゲームや塗り絵、ワードサーチなどの遊びのワークをやったりします。
クリスマスはプレゼント交換などもよくあります。とにかくいつもおやつを食べている印象です。
保護者の手伝いは、そのほとんどをClass Momと呼ばれるクラス代表の保護者がやってくれていました。イベントにはいつもそのお母さん(お父さん)がお手伝いにきて先生の補助をしてくれます。
たまに事前に案内メールがあって、飾り付けを手伝ってくれるボランティア募集や、クラスパーティーに来て良いですよ、というメールがあり数名の希望した保護者が行くことがあります。
それ以外に物資のボランティアというのがあって、クラスパーティーの1〜2週間前に先生からサインアップのリンクが送られてきます。
パーティーの時に子どもたちに配るジュースやフルーツ、お菓子、その際に使うペーパー皿や可愛い紙ナプキンなどを項目ごとに分けてあり、買って持ってきてくれるボランティアを募集します。
お金さえ払えばできるボランティアなので、言葉が不慣れな外国人家庭にも気軽にできるボランティアです。
学習内容について

まず英語についてですが、アルファベットの組み合わせでどういう音になるか、その組み合わせの単語が何個も例に挙げられていて、それらを覚える(発音を覚える?)為に、ワードサーチや塗り絵、単語カードを切ったり貼ったりしながら、低学年でも楽しみながら授業を受けるという感じです。
また絵本の読み聞かせや、みんなで読み合わせた本の場面に関する絵を描いたり簡単な文章を書いたりしていました。読書は推奨されていて、家で読んだ本をブックリストに書き加えるのが宿題だったり、日本でもよくありますが音読の宿題もありました。
そういう教わり方なので、単語の意味が分からなくても綴りでだんだんと読み方がわかってくる仕組みになているのかな、と思います。
また、3年生くらいからは徐々に単語の構造を習っていっていました。例えば、「cooperation」だと「co」「operate」「tion」に分割できて、それぞれにこういう意味があるんだ、というような内容です。
すると単語を知らなくても、だんだんその単語の意味が予想できるようになるわけです。母語だから教え方が確立されているというか、すんなり入ってくる教え方だなと感じました。
また補足ですが、2年生で筆記体を習っていました。一応習うだけで、その後も普通の活字体で書いていました。
算数については、進度は日本よりゆっくりめです。内容は難しくないのですが、問題を見ると答えが1つではない問題もあったりします。
掛け算も、日本ではまず九九を丸暗記しますよね。アメリカでは、掛け算の仕組みが理解できるように、まわりくどい方法で掛け算を解くやり方をまずやっていきます。
なぜそうなるのか、仕組みから理解しようとしているのが感じられます。教育方針の違いだなーと思いました。
クラス全体としての学習はそんな感じで、もどかしい部分もあったりするわけですが、それ以外にもパソコンを使った個人個人の進度に合わせた学習システムの利用時間も案外長く、毎日学校でやっていました。
英語と算数の2教科だけですが、そこでは得意な生徒はどんどん先に進めていけるし、自分に合った内容ができるので良いと思います。
そのシステムも面白いキャラクターが主体となって進めていくので、ゲーム感覚でやっていけるのも子どもにとってやる気になります。日本とは大きく異なる点です。
GE(ギフテッド)について
日本にはないシステムですが、生まれつき知能の高い子どもに向けてGE(Gifted Education)というクラスがあります。
まず小学2年生の終わり頃にギフテッドクラスの先生から、特にそういう兆候があると思われる生徒に向けてお手紙が渡されます。
1クラスに通常3〜4人くらいかなと思います。その手紙を読んで保護者が同意すれば、ギフテッドに入るべきかどうかのテストを受けます。
それをパスすると、3年生からギフテッドクラスで過ごす時間が1日の何時間か出てきます。そこでテストに落ちたり、そもそも選ばれなかった場合もまだチャンスがありました。
4年生になると、全員が一度ギフテッド関連のテストを受けるのです。そこで成績が良かった数人がもう一度さらなるテストを受けます。
(もちろん、保護者の同意が必要ですが)このような仕組みになっていて、ギフテッドのクラスも楽しいみたいなのでチャンスがあればそういった経験も面白いですよね。
宿題について

宿題は担任の先生によって違いますが、たいがいの先生は低学年のうちはあまり宿題を出しませんでした。
我が子の経験で必ず毎日あったのは、キンダー〜1年生では家庭での読書の本の名前を書いて、保護者がサインするというものでした。
転入後すぐは英語の本が読めないので、日本語の本でもOKにしてくれていました。また、1〜2年生の時は音読の宿題もありました。
毎週お題となる文章のプリントが1枚配られ、1分で何文字読めたか、毎日記します。算数に関しては何週間に1回くらいプリントを持ち帰ってやるくらいでした。
高学年(3年生以降から徐々に)になると、基本学校で終わらなかったプリントが宿題になる、という感じでした。
英語に慣れていると学校で終わらせて帰れるレベルのものだったのですが、転入後でまだ英語がついていけない時は学校で終わらせるのも難しくなり、家でやることになると思います。
登下校について
小学校の登下校は基本、保護者の車での送迎か、スクールバスになります。
学校付近の住宅の人は迷惑なんじゃないのかな??っていうくらい、登下校時に車の長蛇の列ができます。順番に子どもを学校に直接降ろすので、保護者としては安心です。

スクールバスは自宅付近のスクールバスのバス停に決まった時間に連れていけば良いです。
低学年の場合は保護者も一緒にバス停まで付いていく場合が多いです。(キンダーは保護者の付き添いが必須でした)朝が結構早いのが辛く、6:30くらいには家を出ていました。
スクールバスも踏切や交通事故渋滞などによって、たまに全然来ないときがあります。登録したバスがどこを走っているか確認できるアプリがあるので、そういうのを使うとバスの居所が分かって安心です。
まれに学校の近くに住んでいる人の中には、歩いて登校したり自転車で登校したりするのを見かけます。自転車登校は日本の小学校ではありえないですよね。
そういった場合も、保護者が登下校で送り迎えをする姿がよく見られます。日本とは違うので、ちゃんと責任をもって子どもを見守りたいですね。
高校生は免許があれば車で自分で通学するみたいです。広大な敷地の駐車場が完備されていました。
ランチタイム

昼食は学校のカフェテリアで買ってもいいし、お弁当を持ってきても良いです。
カフェテリアの昼食は学校によって違うと思いますが、我が子の学校では一食およそ3ドルくらいでした。
内容はというと、日替わりでハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、スパゲティ、メキシカンタコス、チャーハン、ミニパンケーキなどなど。
多民族国家なので、アジアンやメキシカンなどもメニューに出てきていました。サイドメニューに豆料理や、野菜スティック、フルーツなどがあり、それらも日替わりで決まっています。
あとは牛乳またはチョコレートミルクです。食べたいものは注いでもらって、苦手なものはお断りして入れないでもらう、というように選べますので、食べやすいかなと思います。
支払いは現金でも小切手でもできたと思いますが、子どもが毎日持っていくのは不用心なので、オンライン支払いが便利です。
今やだいたいの学校で導入されているのではないかなと思いますが、個人個人番号がふられていて、その番号のオンラインアカウントに保護者がお金を入れられます。
子どもが番号を入力すると、自動的にそこから支払われるという仕組みです。番号が覚えられない低学年のうちは、担任の先生がランチカードを作ってそこに番号が書いてくれていました。
お弁当に特に決まりはなかったと思いますが、現地の子どもはパンやポテトチップス、フルーツなどが多いようです。
我が家はザ・日本のお弁当という内容のものを持っていっていました。ひじきとか海苔などの黒いものを入れると周囲に驚かれるので、慣れるまでは入れないほうが無難です。
最初は勝手が分からないので、アメリカっぽくピーナッツバターサンド(食パンの片面にいちごジャム、もう片面にピーナッツバターを塗って挟んだもの)を持っていかせていました。
また、スナックタイムのおやつですが、よく現地の子が持っていくものは小袋のポテトチップスやドリトスなどのスナック系、オレオなどのクッキー、吸って食べれるフルーツゼリーのようなもの、生のフルーツ、健康志向のご家庭は野菜スティックなどです。
小さな包み紙のチョコやキャンディなどはおやつとして持ってくるのを禁止されている場合がありました。当然ながら、ガムもやめた方が無難です。スナックはジップロックに小分けして持ってくる人もいます。
放課後のクラブ
放課後にクラブ活動があったりします。年度初め〜秋にかけて毎年アナウンスがありましたが、アートクラブやミュージッククラブ、STEMクラブなど、文化的なクラブが多いです。高学年になると、生徒会的なクラブもあります。

毎年開催されるものもあれば、その年によって先生がやりたいクラブが新規参入してたりしました。
希望者が入りますが、全員が入れるというわけではなくて、人数が決まっていて抽選だったり、簡単な所信表明をしてその内容から先生が選ぶというパターンもありました。
人数が多かったので曜日を分けて開催します、という場合もありました。会費はあまりなくて、材料費くらいです。自分の好きなことだったり、好きな先生のクラブだと楽しいです。下校時間の後から1時間弱くらいやっていました。
遠足(Field trip)
各学年、1年に1〜2回遠足がありました。低学年のうちは子どもミュージアムやパンプキンパッチ(秋の農場での遊び)、歴史博物館、バレエ鑑賞や劇鑑賞などがありました。高学年になってくるとインフラの会社見学や、州議事堂、キャンプ場での宿泊体験などもありました。
遠足に持っていくランチは、事前アンケートで学校のサックランチを注文することも出来るし、自宅から持っていくこともできます。
基本的にその場で捨てられる容器にしなければいけないので、茶色い紙袋またはジップロックにパックジュースやパン、りんごなど入れて持っていきます。我が家はラップおにぎりなど入れていました。

学校で注文するサックランチは、ほとんどお菓子が入っていました・・・。ポテチなどのスナック、グミ、ジュース、サンドイッチパンなどが入っていたように思います。
体育祭?(Field day)

年度末にフィールドデイと呼ばれる外遊びデイがありました。我が子が通っていた学校ではグラウンドで遊ぶセクション、水遊びのセクション、おやつを食べるセクションがあり、それぞれのセクションを決められた時間で学年ごとに順繰りまわっていくシステムでした。
グラウンドにはふわふわドームなども設置され、楽しそう。綱引きやバレーボール、輪投げのような遊びなど、色々な遊びができました。
おやつを食べるセクションでは、1〜2ドルで購入できるおやつを販売されていて、各々ジップロックに現金を入れて持ってきてそこで買い物して食べる、という感じでした。楽しいですよね。
学校の先生とのコミュニケーション
学校の先生とのやりとりは、基本メールで行われていました。分からないことがあってメールすると、遅くても次の日には返信がありました。
最近はアプリを導入する学校も増えてきているみたいで、アプリを通して先生に連絡することが出来ます。メールと要領は同じですが、よりLINEのような会話感が出てやりやすいですね。先生方は親切でフレンドリーな方が多いです。そしてとっても褒め上手!これだけ褒められると子どもも自信をもてますね。見習いたいものです。
出欠などの正式な連絡はまた違うアプリがあり、成績なども管理しているオフィシャルなアプリから欠席・遅刻届を提出していました。
旅行などで休む時も日本より休みやすいイメージですが(先生が楽しんできてね!と言ってくれる)、年間の可能な欠席日数が明確に決まっていたため、休みすぎないように気をつけていました。
注意・罰則
禁止されている行為、倫理道徳に反する行為、授業の妨害などがあった場合、その度合によって罰則があります。
軽度なら先生の注意で終わりますが、注意されても何度も繰り返す、または重要度の高い違反であれば校長室に呼ばれたり、停学になったりします。
我が子のクラスメイトの場合ですが、授業中にボールを投げるような動作を注意されてもやめなかったり、うるさくして改善することがない場合があり、3日間停学になる子どももいました。
そういったケースがよくあるのかどうか分からないですが、明確な罰則措置がある点は日本より厳しいですね。
まとめ|アメリカの小学校に通わせて感じた日本との違い
アメリカの現地小学校は、授業の進め方から学校生活、保護者の関わり方まで、日本の小学校とはさまざまな違いがありました。
特に印象的だったのは、子ども一人ひとりの状況に応じた教育の仕組みです。英語を母国語としない子どもを支援するELクラスや、ギフテッド教育など、日本ではあまりなじみのない制度もありました。
また、スクールバスでの登下校やスクールランチ、保護者のボランティアなど、日々の学校生活にもアメリカならではの特徴があります。
最初は日本との違いに戸惑うこともあるかもしれませんが、こうした違いを知っておくだけでも、現地校への入学に向けた心構えができると思います。
もちろん、アメリカは州や学区、学校によって制度や運営方法が異なります。今回ご紹介したのは、わが家が実際に経験した学校生活の一例です。
これからアメリカに赴任される方や、お子さんを現地校に通わせようと考えている方にとって、少しでも参考になればうれしいです。
日本とは違う環境で学び、さまざまな文化や価値観に触れられることも、アメリカの現地校ならではの魅力だと感じています。
