この春から新入社員として入社をしたみなさん、おめでとうございます。
新しい土地、新しい人間関係、そして仕事と慣れないことが多いと思います。
会社での仕事はもちろん、お金の管理など覚えることはたくさんあります。会社によっては従業員持株会という制度があり、入会を勧められることもあると思います。
その時に検討すべき、ポイントを3つご紹介します。
私自身、従業員持株会に加入しており、いい面、悪い面、いろいろと感じています。その経験の中で、従業員持株会を始めるかどうかを検討するポイントをご紹介していきます。
1.奨励金制度
従業員持株会はドルコスト平均法で、毎月一定額を積立投資をしていきます。奨励金制度がある場合は、会社から積立金額を上乗せしてくれます。
例えば毎月の設定額を5000円、奨励金制度が10%の場合、会社から500円が上乗せされ、5500円となります。5500円分、自社の株式を買い付けます。株価が500円の場合は11株買うことなります。
奨励金制度がある場合、買付設定金額に対して10%の補助金を受け取れる分、メリットがあります。
2.配当
従業員持株会で自社株を保有する場合、配当金は再投資に自動的に回されます。
配当金が毎年安定的に出ていれば、再投資回る原資が年々多くなってくるため、その分複利効果を得ることができます。
また、配当金が毎年安定的に出る株というのは、一般の投資家からも魅力的なことになりますので、株価にも期待ができます。
また、配当金を継続的に出せる企業というのは財務面がしっかりしている場合が多いので、企業の財務面をチェックすることにもつながります。
見逃しがちなポイントですが、一般投資から見たときに自社株がどう評価されているかという視点はとても重要です。
配当利回りは3%以上あると、利回りとしてはいい水準にあります。これが継続的に維持されているか、がものすごく重要です。
配当見込みは据え置きで、業績は悪化傾向にある企業の場合、一時的に配当利回りが高くなるといったことが起きるからです(実際は低い配当利回りに修正される可能性が高い)。
3.長期で積立投資を継続できるか
従業員持株会はドルコスト平均法で、長期間積立投資を続ける投資です。
そのため自分自身が長期間、積立投資を継続できるかをしっかりと考える必要があります。途中で転職などをする場合、その時点で解約・精算となるため、含み損の場合でも強制的に売却する必要があります。
10年、20年、30年と長期間、ドルコスト平均法で買付を続けることで、複利の効果を得つつ、平均購入単価とその時の株価との差額で、売却益を狙う手法でもあるため、途中解約する可能性がないかは初めにしっかりと考えておきましょう。
4.従業員持株会のデメリット
最後に従業員持株会のデメリットについても言及をしておきます。従業員持株会のデメリットとして、よく指摘されるのはリスク分散ができない点です。
どういうことかと言いますと、自社株に投資をすることは、会社への依存度を高めることにつながります。
たとえば、もし会社の業績が悪くなって、給料が減給になったとき、資産である自社株も価値を減らすことになり、収入減・資産減のダブルパンチとなります。
あくまでも資産の一部として従業員持株会で自社株を購入する、ということが大事です。投資は全て従業員持株会のみでは危険です。投資はリスク分散が肝となります。
自社株が一般投資家から見ても魅力的な銘柄の場合、奨励金制度がある場合は有利な条件で買付をすることができますので、従業員持株会はメリットがある制度です。
配当による再投資も自動的に行ってくれるので手間を掛けずに、複利効果を得ることができます。
まとめ
従業員持株会も投資ですので自己責任で始めるかどうかを決める必要があります。ただし、従業員持株会自体は奨励金などメリットもある制度ですので、検討する価値はあると思います。
自社株を持つことで、より会社に対する興味が湧くといった効果も期待できます。
今回ご紹介した3つのポイントを踏まえて、投資の一歩目を検討してもらえたらと思います。
それでは。