Amazon Prime Videoでインド映画『きっと、うまくいく(原題:3 Idiots)』を観ました。
本作は2009年にインドで公開された、コメディとドラマを組み合わせたボリウッド映画です。インド国内で大ヒットを記録し、数々の映画賞を受賞した作品として知られています。
監督はラージクマール・ヒラニ。主演はアーミル・カーン(ランチョー役)、R・マドハヴァン(ファルハーン役)、シャルマン・ジョシ(ラジュー役)で、カリーナ・カプールがヒロインのピアを演じています。
日本では2013年に劇場公開されました。
以前から非常に評価の高い映画だとは知っていましたが、上映時間は2時間51分。約3時間もあるので、観るには少し気合いが必要でした。
レビュー記事を読んでいると、「人生で必ず観るべき映画」とまで書いている人がいたので、土曜日の夜、ゆっくり時間を取って鑑賞することにしました。
実際に観てみると、これがとにかくおもしろい。
約3時間という長さを全く感じさせず、一瞬たりとも飽きることがありませんでした。
個人的な評価は、文句なしの100点です。
今回は『きっと、うまくいく』のあらすじと、実際に観て感じた魅力を紹介します。
※以下、物語の展開に関するネタバレを含みます。ただし、ランチョーの正体や結末の核心には触れていません。
映画『きっと、うまくいく』のあらすじ
物語の舞台は、インドの超難関理系大学ICEです。
優秀なエンジニアを育成する大学で、学生たちは厳しい競争とプレッシャーの中、日々勉強に励んでいます。
そんな大学で出会ったのが、自由奔放なランチョー、写真家を夢見るファルハーン、貧しい家庭を支えようとするラジューの3人です。
ランチョーは、成績や学歴よりも、本当に興味のあることを学ぶ姿勢を大切にする学生でした。
その考え方は、成績と競争を重視する大学の方針とは相いれず、厳格な学長と何度も衝突することになります。
3人が巻き起こす騒動をコミカルに描きながら、物語はインドの教育問題や格差社会にも踏み込んでいきます。
卒業から10年後、行方不明のランチョーを探す
映画は、ファルハーンが飛行機の機内で1本の電話を受ける場面から始まります。
大学卒業以来、行方がわからなくなっていたランチョーが見つかったかもしれないという知らせでした。
ファルハーンは友人のラジューに連絡し、ランチョーに会うために向かいます。
しかし、約束の場所にいたのは、学生時代にランチョーをライバル視していたチャトルだけでした。
チャトルは2人に、10年前の9月5日の出来事を思い出すように言います。
ランチョーとは一体どんな人物だったのか。そして、10年前に何があったのか。
ここから物語は、3人が大学に入学した頃の回想へと移っていきます。
笑いの中に描かれる厳しい教育競争
大学時代の回想は、3人が出会うところから始まります。
コミカルな場面が多く、思わず笑ってしまうのですが、物語の背景にあるテーマは決して軽いものではありません。
厳しい成績競争、家族からの期待、将来への不安、そしてインド社会に存在する経済格差。
学生たちは大きなプレッシャーを抱えながら大学生活を送っています。
そんな環境の中で、ランチョーは「本当に必要な学びとは何か」を問い続けます。
笑える学園コメディでありながら、教育や人生について考えさせられる内容になっています。
ランチョーの正体をめぐるミステリー
大学時代の回想を通して、ランチョーがどれほど魅力的な人物だったのかが徐々に明らかになっていきます。
そして物語は再び、卒業から10年後の現在へと戻ります。
ファルハーンとラジューは、ランチョーを探すために彼の実家を訪ねます。
ところが、そこにいたランチョーと名乗る人物は、2人が大学時代に知っていたランチョーとは全くの別人でした。
一体、大学時代のランチョーは何者だったのでしょうか。
ここからミステリーの要素が加わり、物語はさらにおもしろくなっていきます。
学生時代の恋人だったピアも加わり、ファルハーンとラジューはランチョーの行方を追い続けます。
『きっと、うまくいく』を観た感想|100点をつけた理由
1. 序盤から物語に引き込まれるストーリー構成
まず驚いたのが、物語の序盤から観客を引き込む力です。
映画が始まって間もなく、行方不明になったランチョーの存在が明らかになり、彼がどんな人物だったのか気になる展開になります。
その後、大学時代の回想が始まるのですが、3人の学生生活がとにかくおもしろいのです。
コミカルなやり取りに笑いながら、ランチョーの考え方や人間としての魅力が少しずつ伝わってきます。
上映時間が約3時間もある映画とは思えないほど、テンポよく物語が進んでいきました。
2. 中盤からミステリーが加わり、さらにおもしろくなる
この映画のストーリー構成で特にすごいと思ったのが、途中からミステリーの要素が加わることです。
大学時代のランチョーを知るにつれて、観ている側も彼の魅力を理解していきます。
そして現在の時間軸に戻ったところで、ランチョーの正体について大きな謎が生まれます。
通常、上映時間の長い映画は中盤で少し退屈になることもありますが、本作はここで再び強く引き込まれました。
それまでとは違う興味が生まれ、今度はランチョーの正体を知りたくて、前のめりになって観てしまいます。
物語が進むにつれて、おもしろさが何層にも重なっていく構成が本当に見事でした。
3. インド映画ならではの歌と踊りも楽しめる
インド映画といえば、歌と踊りを思い浮かべる人も多いと思います。
『きっと、うまくいく』にも、印象的な歌と踊りの場面が登場します。
それまでストーリーにすっかり没入していたので、歌と踊りが始まると「ああ、インド映画を観ているんだ」と思い出しました。
物語の流れを邪魔するものではなく、いい意味で休憩の時間になっているように感じました。
約3時間という上映時間の中で、こうした場面があることも、飽きずに観られた理由の一つだと思います。
4. ランチョーの正体がわかると物語の深みが増す
物語の終盤でランチョーの正体が明らかになると、それまで彼が話していた言葉の意味が、より深く理解できるようになります。
大学時代のランチョーが大切にしていた考え方と、その後の人生がつながっていくのです。
ただ単に意外な結末を用意しているだけではなく、物語全体を通して描かれてきたテーマが、最後に一つにつながっていく構成になっています。
ここまで観て、改めてこの映画のすごさを感じました。
5. 重いテーマを扱いながら、最後まで笑わせてくれる
『きっと、うまくいく』が描いているのは、厳しい学歴競争や教育問題、経済格差など、決して軽くないテーマです。
それでも映画全体は明るく、コミカルな演出が続きます。
笑っているうちに、教育とは何か、何のために学ぶのか、どう生きるべきなのかといった問題を考えさせられます。
重いテーマを扱いながら、観客を飽きさせず、最後まで笑わせ続けるところが素晴らしいと思いました。
まとめ|『きっと、うまくいく』は文句なしの100点
映画『きっと、うまくいく』の個人的な評価は100点/100点です。
こんなにおもしろい映画は初めて観たと思うくらい、素晴らしい作品でした。
序盤から観客を引き込むストーリー、中盤から加わるミステリー、ランチョーの正体が明らかになることで深まる物語。そして、重いテーマを扱いながらも笑わせ続けるコミカルな演出。
すべてが見事に組み合わさっていました。
上映時間は2時間51分と長いですが、実際に観ている間は長さをほとんど感じませんでした。
映画のレビューで「人生で必ず観るべき映画」と書かれていた理由が、よくわかりました。
本当におもしろかったです。
それでは。

