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【書評】西洋絵画をざっと2時間で学ぶ!山内宏泰著『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』

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読書
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芸術に漠然とした興味はあるけれども、その一歩が踏み出せない。

西洋絵画に興味があるけど、どこから学んだらいいのかわからない。

そんな方におすすめの1冊がこちらの『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』。

上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史posted with ヨメレバ

  • 作者:山内 宏泰
  • 出版社:星海社
  • 発売日: 2013年05月24日頃


上野の杜にある国立西洋美術館を舞台に、フリーランスライターの山内宏泰さんがアートコンシェルジュのエスコートのもと、西洋絵画の歴史的な流れや個々の作品の意義、そして美術の本質を一通り理解できるように2時間のアート案内を受けた様子を、1冊の本にまとめられています。


国立西洋美術館では、企画展ではなく、常設展を観て回ることで、西洋絵画への理解が深めることができるといいます。

本書で紹介されている内容をガイドに上野に足を運びたくなる方も多いだろうと思いました。私も東京に行く機会があれば、上野の国立西洋美術館に行ってみたくなりました。

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上野の杜は日本有数の美の殿堂

上野の杜は明治時代から日本有数の美の殿堂となっています。


上野公園の敷地内には、東京都美術館、上野の森美術館、国立西洋美術館と3つの美術館があり、その他には東京国立博物館、国立科学博物館もあります。また、東京藝術大学が隣接しているため、とてもアートな雰囲気が漂う場所です。

一つの公園内に日本画の名品から、西洋画の名画、土偶やミイラまで、幅広いジャンルのものが観られるというのは世界的にも例がないといいます。

日本画では国宝の雪舟、葛飾北斎、写楽の作品や、西洋画ではピカソやルノワールといった巨匠たちの作品がいつでもそこにある、という魅力ある場所です。


上野といったらパンダ、だけではもったいない。本書を読むとそう思います。

国立西洋美術館では順路を逆から回る


国立西洋美術館の常設展をアートコンシェルジュと一緒に観て回ることで、西洋美術の全体像をまるごと2時間で体感する、というのが本書のコンセプトですが、回り方にも工夫があります。


それは順路を逆から回ることです。

順路通りの場合、14世紀のシエナ派の絵画から順に時代を追って、現代美術までたどり着くルートになっています。

2時間でざっと体感するためには、あえて順路の逆から回ることで、時代を遡るルートで西洋絵画史をたどっていきます。


現在から過去へと眺めていくと、歴史の転換点、因果関係、後世に真に影響を及ぼしたのはどの作品なのか、そういったことがかなりはっきりとしてきます。ポイントが、明瞭になるのですね。

山内宏泰著『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』pp.47-48.


20世紀の現代アートから順に歴史を遡ることで、今まで当たり前と思っていたアートのあり方が、実は当たり前ではなかったことに気がつきました。

本書ではオールカラーで実際の絵を観ることができるので、あたかも自分もアートコンシェルジュと一緒に観て回っているような追体験ができます。

アートコンシェルジュとの会話が西洋絵画に対する学びを深める

国立西洋美術館を観て回る最中に、アートコンシェルジュの方が著者である山内さんに問いかけをします。この2人の会話のやりとりが西洋絵画とは何かを深く考えるきっかけを与えてくれます。


「そうです。眺めてみれば、誰ひとりとして同じことをしていないのがよくわかります。この室だけでもたくさんの作品が並んでいますが、皆それぞれ好きに描いていますよね。自分が選びとり、または編み出した手法によって自在に絵ができている。この時代は、何よりも個性の発露こそが求められているのですね。
 まとまりがないと言われればそのとおりですが、それはそれでいいのでしょう。画家たちがこんな自由を謳歌したのは二十世紀が初めてです。」

山内宏泰著『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』pp.48-50.


アートコンシェルジュの方の語り口は、なんとも言えない魅力があり、とても穏やかな気持ちで、西洋絵画の歴史に触れることができます。

書評まとめ

今回は山内宏泰著『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』を紹介しました。

読んだ感想としては「とても濃厚な1冊で、西洋絵画の本質に迫っていく経験の追体験は、他では得難い読書体験となりました」。

オールカラーで絵画が紹介されており、都度、絵を参照しながら文章を読むことができる点も良かったと思います。本書を読む中で気になる作品にも出会うことができました(マリー=ガブリエル・カペによる《自画像》)。

それぞれの時代を代表する画家に焦点を当てて、個々の作品を通して何を表現しようとしたのか、を深堀をしていくことで、絵とは何かを考えさせられる一冊でもありました。

西洋絵画に興味がある方は、是非読んでみてはいかがでしょうか。

著者紹介 – 巻末紹介より-

山内宏泰 フリーランスライター

1927年愛知県生まれ。大学時代に「書く仕事」をしようと心に決め、出版社勤務でノウハウをこっそり盗み見て覚えたのちに、フリーランスのライターになる。週刊誌の記者としてジャンルを問わず記事を書くかたわら、以前からの関心領域だった美術や写真表現についての取材も重ね、執筆するように。

著書に『写真のプロフェッショナル』『G12 トーキョートップギャラリー』『彼女たち』、共著に『フォトグラファーになるには』など。アートや文学、音楽などの「文化」に気軽に触れられる場がもっとあるべきだ、という思いのもと、現在、東京で毎月第一金曜日の夜に、写真について語るイベント「写真を読む夜」を継続して開催中。山内宏泰ウェブサイトhttp://yamauchihiroyasu.jp/

山内宏泰著『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』巻末

今回紹介した本

上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史posted with ヨメレバ

  • 作者:山内 宏泰
  • 出版社:星海社
  • 発売日: 2013年05月24日頃

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