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『インファナル・アフェア』を観た感想(ネタバレあり)。2人のスパイが繰り広げるヒリヒリとした展開が秀逸な映画。

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映画
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Amazon Prime Videoで『インファナル・アフェア』(原題:無限道)を観た。

2002年公開の香港映画で、監督はアンドリュー・ラウとアラン・マックである。

主演はアンディ・ラウとトニー・レオン。香港を代表する2大スターが共演している。3部作となっており、『インファナル・アフェア』がシリーズ第1作目である。

ダブル潜入捜査もので、本作をもとに多くのリメイク作品が創作されている。

この映画、10年以上前に香港留学前に観た。その時の衝撃はすごかった。今回、久しぶりに観たくなったので観たのだが、結末は知っているもののなんとも言えない気持ちになる。

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あらすじ(ネタバレあり)

1991年、ストリート育ちの青年ラウは香港マフィアに入ってすぐ、その優秀さに目を付けたボスによって警察学校に送り込まれる。一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年ヤンは突然退学となる。彼は、警視に能力を見込まれマフィアへの潜入を命じられたのだった。やがて2人の青年は、それぞれの組織で台頭していく。そして10年後、警察はヤンから大きな麻薬取引の情報を受け取る。しかし警察の包囲網はラウによってマフィア側に筒抜けとなっていた。検挙も取引も失敗に終わったことで、警察、マフィア双方がスパイの存在に気づいてしまうのだった…。

https://ja.wikipedia.org/wiki/インファナル・アフェア

アンディ・ラウ演じるラウは香港マフィアから警察に送り込まれたスパイ、トニー・レオン演じるヤンは警察から香港マフィアに送り込まれたスパイである。

警察・香港マフィア双方がスパイの存在に気づき、誰がスパイかを突き止めるため必死になる。特に警察側のスパイであるヤンはバレたら命はない状況である。しかも警察内部にスパイであるラウが警察内部スパイを探す役を担うことになるというヤンにとっては不利な状況となる。

ヤンが警察内部からの潜入捜査官であることを知っている人物は2人いる。この2人の人物は死んでしまい、ヤンの警察官としてのデータもラウに消去されてしまうのだ。

このあたりのヤンの悲劇がこの映画の最大の見どころであり、何度観てもなんとも言えない気持ちになる。

一方で、ラウも葛藤を抱える。香港マフィアから警察内部に送り込まれてはいるものの警察官として順調なキャリアを歩んでおり、本物の正義になりたいという想いを持っている。

そのため香港マフィアのボスを裏切り、警察官として生きていこうとするのだが、香港マフィアのボスが亡き後、ヤンに香港マフィアからのスパイだと見破られてしまう。

ヤンはラウがスパイであると警察に突き出そうとするのだが、駆けつけた警察官に殺されてしまう。その警察官もまた香港マフィアから送り込まれたスパイだったのだ。ラウはボスを裏切ることで、本当の警察官として生きいこうとしていたのだが、それも叶わないことが分かり、映画はクライマックスを迎える。

原題でもある「無限道」とは、仏教でいう無限地獄のことで、一度入ると抜け出せない、絶え間なく続く苦しみを指すという。まさに無限道といった内容の誰も救われない映画である。

ヤンにとって唯一の救いはヤンが警察官として潜入捜査していることを打ち明けていた、心療内科医のリーがヤンが警察官であったことを証明したことで(警察データは抹消されていた)、警察官として葬儀があげられたことである。

『インファナル・アフェア』を観た感想

ストーリーと設定は秀逸である。アンディ・ラウの視点では、自分の正体がバレてしまうことで、いままで築き上げてきたものが崩れる恐怖が描かれている。

ヤンの視点では、警察官として香港マフィアに長期潜入することによる、自分は正義なのか、悪なのかという葛藤。そして、そのよりどころである警察内部の上司が、殺されてしまうという悲劇が描かれている。

ラウはボスを裏切ることで、本当の正義になろうとするが、それが叶わない悲劇。これこそが無間道なのだというラストは印象的である。

どちらの視点に立ってもヒリヒリする手に汗握る展開が続く映画である。そしてどちらの視点に立っても悲劇な結末を迎える。

何度も見返すことで新たな発見がある映画である。

まとめ(92点/100点)

この映画の評価は92点(星4つ)だ。

最初に観たときの衝撃は忘れられない。10数年ぶりに見返しても、この映画が持つ面白さは色あせておらず、見返すことで新たな発見があった。

最初見たときはラウ視点でハラハラしていたが、2度目はフラットな視点で観た。どちらのキャラクターに感情移入するかによっても受ける印象は違う映画となる。

シリーズの続編ではラウとヤンがそれぞれスパイとなるまでのストーリーが描かれており、こちらも気になるので観てみようと思う。続編を観ることで本編の印象もまた変わってくる楽しみがある。

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